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小山ヶ丘のオオタカを守ろう!廃プラ処理施設がオオタカを絶滅させる危機 

@南大沢さまのご好意により、WEB上で公開されている「町田市議会12月定例会 議事メモ(暫定版)」を当BLOGと市民の会の公式サイトで紹介することができるようになりました。
@南大沢さまの尽力で既に4件の廃プラ問題に関わる市議会の議事録が公開されています。

町田市議会12月定例会(新井議員)前編 2005/12/09
町田市議会12月定例会(新井議員)後編 2005/12/09
町田市議会12月定例会(大西議員) 2005/12/10
町田市議会12月定例会(黒木議員)2005/12/13

そのなかでも特に気になった「オオタカを守れ」に関する黒木議員の質問を取り上げ、この問題の重要さを考えてみました。
都立小山内裏公園の敷地内は、多摩地区最後の自然の宝庫であり、春は野鳥の鳴き声が響き、夏にはカブトムシは獲れ、さらに蛍の生息も確認されています。商業地、住宅地から100mも離れていない土地は森林に囲まれた動物たちの楽園です。
その点を黒木一文議員(公式HP)は鋭くつき、廃プラ施設の問題点を違って視点で提示しました。
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黒木議員は既にオオタカ問題に関しては、過去に何度か議会で取り上げています。(参考:町田地区のオオタカ保存に町田市は全力投球
公約の一つに「人とペットが共生できる街づくりを」とありますから、もともと動物愛護精神が旺盛の方だと思います。

一般質問において黒木議員は最初に、これまでの経緯を踏まえた上で、

「私はこのほかにも、私はこの地域に住んでいる声なき命、その生き物たちの声を代弁したいと思っております。」と宣言します。そして

「町田市と八王子市の境にある都立小山内裏公園の周辺には、東京都の調査により、絶滅危惧種のオオタカが毎年生息、営巣していると言います。このオオタカはその周辺地区を餌場としているとも言います。廃プラスチック中間施設工場予定地はその餌場の可能性はないのでしょうか。そのことについて、東京都、町田市、事業者の責務として、速やかに専門家に依頼し調査をすべきと考えておりますが、町田市の考えをお示しください。」と市の対応に問題点を投げかけています。
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オオタカ

実際に過去の事例として、IBMグランド跡地マンションの問題でオオタカの保護の対応が遅れた点を示唆しています。

「IBMグランド跡地マンションの問題ではオオタカの件で、町田市は対応が遅れ、対策が後手に回っていたのでは?と言われております。あの、長谷工が建設しているマンションのオオタカの保護について、現在どのようになっていますか、お聞かせください。オオタカは大丈夫でしょうか?市の知っている範囲で、簡単にご説明ください。また、町田市や都、そして国があれ以後この問題を誠意をもって対応していますか?次に町田市内の小山ヶ丘地区のオオタカ問題はIBMグランド跡地マンションの問題のように、後手に回らないように、法律等にしたがった対応を速やかに、町田市として、その責務として事業者等にさせるべきだと思いますが、市長の考え方をお聞きしたいと思います。(参考:IBMグランド跡地マンションの問題


この問題の回答は廃プラ問題では珍しく寺田市長が登場します。

寺田市長:
「(前略)・・・あの内裏公園は町田市の部分が相当あるわけでありまして、実際にはニュータウン側へ斜面で、こうなだれているような地域であります。もっとも、あの、多摩川の河川に至る源流地帯でありまして、町田市もですね、ニュータウンの建設に合わせて、あの源流地帯はできるだけ現在の状況を守ってほしいと・・・守ってほしいと言いますか、要するに源流地帯である現在の環境をぜひ守ってほしいという風な要請をしてですね、東京都に公園建設をお願いしたところであります。したがって、なるほどオオタカのいるような環境がまだ残っていたのかな、という風に思っているところでありますが、これについては担当の方からですね、今どういう状況になってるのか、お答えを聞かせていただきたいという風に思います。」

やはり廃プラに関するといつものように牧田助役に振ります。

牧田助役:
「・・・廃プラのこの施設は、その中のですね、その平坦な部分に建設するものでございます。相原・小山土地区画整理事業区域内にある約28haの民有地は、地区計画によって保全される区域でござい・・・民有緑地はですね、えー、地区計画によって保全される区域でございます。町田市は、都立小山内裏公園周辺に、東京都施行によるところの相原・小山土地区画整理事業また新都市市街地開発事業において、小山白山公園ほか6ヶ所に約16haの公園、緑地17ヶ所約4ha、尾根緑道、鑓水・小山緑地約6.7haを確保するとともに、市の公園整備事業として、本年までに三ツ目山公園2.6haを取得をしてきたところでございます。
このように、市は野生動植物の生息可能な自然環境の保全に務めてきたところでございます。で、えー、オオタカの餌場という話でございますが、これについては東京都の「東京における自然の保護と回復に関する条例」にかかわる「開発許可の手引き」によればですね、調査に基づく営巣中心域が設定されない場合はですね、「営巣木からの距離が350mの範囲を営巣中心域とみなす」とあります。当該予定地は小山内裏公園から直線距離で約450m離れているところでございます。さらに、法律等に従った調査が必要かどうかは、今後、東京都、事業者と調整をしていきたいという風に思っておるところでございます。」

街づくり条例の50m以内の説明責任同様、「営巣木からの距離が350m以内が営巣中心域とみなす」という都の手引きを根拠に、建設の正当性を主張しているのでしょうか。

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施設予定地近くの小山内裏公園内の緑地

他、町田市環境・産業部長も登場しますが、具体的な対応策は結局得られていません。そこで黒木議員は戦略を変えて、過去のIBMグランド跡地のオオタカ問題を例にとり、事前調査の必要性を主張します。

黒木議員:
「(前略)・・・この猛禽類の関係の方の、『猛禽類・保護の進め方』を一緒に編集された、日本でも有名な方からの意見と言うことで出されているものがあります。その中に、「貴社は報告書類の中で順応的な管理に基づいて対応されていると述べておりますが、順応的な管理とは、できるだけ正確に科学的データとともに多様な利害関係者の監査の下に実施されるべきであり、事前調査も実施せずに行われている現在の対応は、順応的な管理とは言い難い。もう一回、しっかりと繁殖期も含む1年半の経過期間で原状に復帰してやり直すべきだ」というくらいの強いことを謳われてます。しかしそれが無理ならば、現在の工事を止めて、一繁殖期だけでもきちっと調査しなさいと。その調査の結果に基づいて今後の対応をしたら良いんじゃないですかという意見が出てるわけですよ。」
しかし、環境・産業部長の回答は、事前調査の明言を避けて、「推移を見ていきたい」にとどまります。やはり廃プラ施設の計画進めている手前、調査を確約できないのでしょう。

 「・・・私ども(町田市)は、その推移を、先ほど申し上げましたように注意深く見ていきたいという風に思います。で、その報告の中には、事業者側の言い分も書いてありまして、いま黒木議員のご指摘の部分と若干違っている部分もあるわけでして、両者の話し合い、あるいは推移を見ていきたいという風に思っております。」
次にに黒木議員はオオタカが実際に生息している証拠を説明します。「(オオタカは)あそこらへん(小山が丘?廃プラ施設予定地近く)に生息しながら、狩り場として使われている。この事実がある。」と。

「・・・声なき声のオオタカ。これがオオタカなんですけどね(パネルを見せる)。このオオタカから頼まれたわけではないんですけれども、われわれこの世に命をもらってる人間は、ぜひこういうような動物をしっかりと守っていかなければいけない。そのために敢えて今日は言ってるわけです。あそこのところにオオタカが生息していることは確実でございます。どういう風に確実かと言うと、東京都で調査が13年度、14年度、15年度・・・きちっとその専門家に頼んで調査しております。それは、あそこの内裏公園にちゃんと生息していると。毎年、数匹ずつ子育てをして育っていますという話が、報告書となってきちっと出ております。それはもし必要ならば、どうぞ市の方で情報公開でもらってきてください。書いてあります、細かく。そして、その後あそこの公園が民間の委託になって、その後の調査がされておりません。ただ、民間の業者の方も見ておりまして、今年も巣立っております。ちゃんといるわけです。あとはそこに棲んでればいいというわけではなくて、オオタカには食事をする、生きていくための場所が必要です。
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餌をお互いにわけるオオタカ

ですから、今回質問したのは、そのオオタカが食べるものを獲っている狩り場はどこなんでしょうかと。そこを中心にぐるうっと、半径それなりの距離が必要になってきます。もうみなさんも御存知でしょうけれども、あそこの土地は(パネルを見せる)・・・遠いですからみなさん見えないですね。航空写真で見ますとこの森と、ずうっと繋がっているあそこの緑地帯があるだけなんですね。その緑地帯のところで、彼らは餌をとって・・・特に彼らの餌はキジバトを含む、そのような鳥類でございます。猛禽類ですから、生きている鳥を捕まえて食べる。そして、食べ終わったところは食痕として残っているということです。で、この調査を、実は猛禽類の方の関係の方にあそこを調査してもらいました、専門家に。調査した日にちが05年11月20日。ちょうどこの問題で揉めている頃でございます。
(中略)ですので、もうちょっと横に行きますと、計画地の西側の横の高い木の上にはフンの痕もあります(パネルを見せる)。ね?これだけをきちっと調査してもらいました。正式な報告書ではなくて、暫定的に、緊急に調べてもらった結果です。このようなことがあります。法律的にはいろいろな問題点がこれから出てくるでしょう。しかし、可能性は十分ある。ということは、市として、きちっと調査を依頼すべきではないのか。で「ここは大丈夫です」というお墨付きをもらわなきゃいけない。そう思います。その辺りについてのご見解をお聞かせください。」 

以上の質問に対する環境・産業部長の答えは
「当該地につきましては面積が全体で15,363平米のうちの、民有緑地が6,671ということで、民有緑地としての保全が可能である」 
という見解を示していますが、緑地の面積で廃プラ施設から出る物質の影響を動物たちが受けないなど絶対にあり得ませんから、回答としては噛み合っていません。

「いまの黒木議員の写真で、それを否定するものではございませんけれども、先ほど助役の方からも申し上げましたように、小山内裏公園あるいは、その連関する民有緑地等々につきましては、自然環境保全指導という指示の下でゾーニングがされ、まちづくりが行われるという風に認識しております。そういう中で、小山内裏公園につきましては、45.9haのうちの三分の一がサンクチュアリという形で人が入れないような設えになっております。そういう意味からも、小山内裏公園の中では、貴重種あるいは動植物について最大限の配慮がされているなという風に思うところでございます。で、今回の当該地につきましては面積が全体で15,363平米のうちの、民有緑地が6,671ということで、民有緑地としての保全が可能であるというようなことを聞いております。そのようなことを総合的に勘案する中、あるいは近辺のテクノパーク、あるいは物販店等々を考えますと、それほど大きな影響はないのではないかな、という風な認識をしてるところです。」

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その後、「それほど大きな影響はないのではないかな、という風な認識」の点をつかれて、環境・産業部長は苦しい答弁を繰り返すこととなります。説明が苦しくなると最終的には「東京都の指導」で逃げ切ろうとしますが、黒木議員の追求は止みません。さすがに助役の再登場となりますが、再度「営巣木からの距離が350mまでの範囲を営巣中心域とみなす」の答弁です。


環境・産業部長:
「先ほど助役の方からお答えしましたように、東京都の指導を仰ぎ、また事業者と協議をしていきたいという風に思っております。(議場からの声によって答弁繰り返し)東京都の指導を仰ぎ、事業者と協議をしていきたいという風に思います。」

黒木議員:
「東京都の指導を仰ぎ、事業者と相談してやる?市の主体性はどうなってんの?市の主体性は?市の責務はどうなんのよ?市は逃げるの?それで。市の結論はどうすんの?そうでしょ?市としてはこう考えてやります。しかし東京都の見解も聞きます。その後、事業者を呼んで、市と対話をして検討していくなら分かる。」
牧田助役:
「先ほど私の方からお答えをさせていただきました。東京都の「東京における自然の保護と回復に関する条例」にかかわる「開発許可の手引き」によれば、「調査に基づく営巣中心域が設定されない場合は、営巣木からの距離が350mまでの範囲を営巣中心域とみなす」とあります。(中略)ただし、法律などにしたがった調査が必要かどうか、今後、東京都、事業者と調整をして参りたい。こういうことをお答えしているところです。」
最後は、本質問の重要な確認事項として、町田市はオオタカを今後守っていくかを聞きます。守っていくと答えると、市は廃プラ建設計画を事実上推進できないため、どのような回答をするかがポイントでしたが、、、。

黒木議員:
「・・・その部分で、いまの450mというのは・・・350mというのもあります。でも、それ以外の部分もあるんですよ。ね?その他の、施行規則その他で読み方による判断もあります。ですから、しっかりと、市がああそうですかと聞いてこないで、市が主体的にしっかりとオオタカを守ってあげてくださいね。(中略)しっかりと見定めて、この「東京都における自然の保護と回復に関する条例その他施行規則」に合わせて、これの解釈は東京都の中でもやることになっておりますから、しっかりと解釈を受けながら、オオタカを守らなくちゃいけないんで、われわれはしっかりやらなきゃいけませんということを、しっかり主張していただきたい。わかりますか?主張できるかどうか、守るのか守らないのか。YesかNoか・・・って、どうもウチの総理大臣もそういうの好きですから。守るか守らないのか。守るんでしょ?YesかNoか言ってください。」

牧田助役:
「・・・この敷地(施設予定地)の中にですね、斜面緑地を民有緑地として保護していく。そういう状況の中で餌場がですね、どういう風になるのかということも東京都とも相談しなければいけませんし、それから事業者ともですね共存も図らなければいけない。先程来そういうことでお答えをしているわけです。今の段階で・・・今後、東京都ならびに事業者ともですね、調整をしていきたい。これは今の段階でのお答えでございます。ご要望はご要望としてお聞きしました。」
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牧田助役

やはり要領を得ない回答ではぐらかしているように聞こえます。
最後に黒木議員は念押しで、「オオタカはしっかり守りたいんです、という答弁があるでしょ」と市の姿勢を批判して質問を終わります。

黒木議員:
「私はオオタカをしっかり守ってくれるんですか守ってくれないのですか、というお話を訊いただけですよ。そこの場所がどうのこうのでどうしましょうということじゃないんですよ。市の姿勢を訊いているだけで。じゃあ、守らないって言う。守りたくない・・・じゃないでしょ?守ります、しかしいろいろな条例その他いろいろあるから、それを検討しながら進めていきます。でも、われわれはオオタカはしっかり守りたいんです、という答弁があるでしょ?なんで私が言わなきゃいけないんだ。そういう言い方が必要ですっていう。心が通ってない。(以下略)。」

【参考資料】
東京都プレスリリース「相原小山地区の更なる発展へ向けて(相原・小山土地区画整理事業)」
同地区の土地利用計画
「東京における自然の保護と回復に関する条例」
「開発許可の手引」
「開発の規制について」(PDFファイルです)
※「営巣中心域」については上記PDFの17ページに記載があります。

注:本記事は@南大沢殿の議事録を参照して作成しました。 

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このコメントは管理者の承認待ちです

町田市民がいなくなれば
オオタカの絶滅から逃れることができますよ。

さぁ、オオタカ様のために
どっかいってください

あなたたちが住んでいる今の土地は
もともと森林だったんですよ

自分たちはよくて他人はダメ
無責任な記事ですね

掲載、ありがとうございました。

 議事録の件、丁寧にご紹介頂きありがとうございました。ご挨拶が遅れてしまいました。わざわざ見やすくまとめてくださりたいへん感謝しております。私も議事を起こしながらいろいろと勉強になりました。この問題に対する市議の方の姿勢とか、論点形成の方法などなど・・・。

 この問題に関するネット上の情報交換は13日の町田市環境常任委員会に向けた動きが一つのピークとなり、その後やや下火のようでもありますが、ひきつづき注視していきたいですね。そういえば22日は市議会本会議で請願の審議がなされるのではなかったでしょうか。

 今後とも南大沢に関するさまざまな情報発信、期待しております!

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こちらにも貼らして頂きました。

読ませてもらいました♪不都合でしたら消してくださいね♪

  • [2005/12/17 15:44]
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