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町田市小山が丘に生コン工場設立の企業リスク 

廃プラ施設の騒動が一段落してからまだ1年経たずして、今度は生コン工場建設問題が、町田市小山ケ丘に持ち上がりました。3月8日付で日本経済新聞にその経緯が紹介されており、地元でもじわじわと反対の声が上がってきています。
今回は、生コン工場による環境破壊や近隣居住者の公害懸念というより、建設予定地前に計画されている小学校建設との絡みが問題として論議されています。
ここでも、縦割り行政の弊害か、東京都の土地売買と町田市の小学校建設が、奇しくも同じ土地で重なってしまい、お互い法的には処置できないまま、苦慮している(町田市長)と記事には書かれています。

小学校建設は小山住民にとっては20年来の悲願であり、もともとは自然が多いのどかな場所でした。その後町田市の条例改正により、戸建て住宅、大型マンションが増え、さらに大型店舗が近年続々オープンして、雰囲気ががらりと変わりました。住宅地ではなく、準工業地帯に指定された建設予定地近辺は、法的には工場建設も可能ということで、今回のような問題に発展しています。

では、土地を購入して、工場を建設する業者はどうしているかといえば、まだ建設申請も提出しておらず、恐らく様子見だと考えられます。生コン業者は、法的にクリアな場所を購入しただけで、今回のような騒動は想定外だとも考えられます。しかし、購入した以上、今後どのように処理するかを決断しなくてはならないので、もし、工場建設を断行した場合の企業リスクを少し考えてみました。

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日本経済新聞3月8日の記事

生コン工場からの廃棄物処理問題のリスク

生コン工場は、立地条件により各種の公害防止関係の規制を受けます。粉塵・排水・騒音・振動・廃棄物等に対する公害防止体制が義務付けられているのです。特に、生コンクリートスラッジ(以下生コンスラッジ)と呼ばれる産業廃棄物は、首都圏の生コン工場にとって大きな問題となっています。生コンスラッジは、コンクリートミキサーやベルトコンベア等の製造設備上で、また生コン運搬車等の洗浄時、戻りコンクリートからの粗骨材回収時等で多量に発生します。しかし、産業廃棄物としての処分は、多大の費用を要し、また処分場所を確保することが容易ではありません。そのため、生コンスラッジを廃棄するのではなく、再利用する方法の開発が望まれています。

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生コン工場イメージ写真

素人調べでよく分からないのですが、廃プラと同様に、廃棄ではなく、再利用(再資源化)を選択した場合は、工場で生じた廃棄物の中間処理があるということで、住宅地で処理すると何かと問題が生じる可能性が考えられます。(参照: http://www.tokyo-kouso.or.jp/technical/modori1.htm)。

このように産業廃棄物の処理問題が住民に理解されないまま工場を操業すると、恐らく地元から廃棄物の中間処理に対する情報開示、安全性の確認などさまざまな要求がなされます。これは、企業にとっては、費用的にも時間的にもかなりの負担が強いられます。

要求は、町田市民だけでなく、隣接する八王子市民からも出されるでしょう。しかも町田市も利害としては、小学校建設では市民側の立場に近いので、廃プラのように市民運動の矢面に立つのではなく、運動に理解を示す立場を取る可能性があります。

ただでさえ、生コンスラッジの産業廃棄物処理は利益が出にくい部分で、また法的にも規制が厳しいため、企業として、廃棄物処理をうまく解決しないと、収益維持が難しいのではないでしょうか?

注:予定されている生コン工場の詳細がわからないため、代表的な工場施設が操業されると仮定しています。

裁判のリスク

生コン工場操業の起訴沙汰はめったにありませんが、商業地区に建設して、営業妨害にあたるとして、生花販売業者が生コン業者を起訴した事例があります。

資料によると「プラント施設は建築基準法上商業地域で建築を禁止されている施設であり、生コン業者は、虚偽申請により建築確認を受けて建築を行ったため工事中止勧告・施工停止命令を受け、また,無認可で操業して都公害防止条例に違反するとして操業停止命令を受け、さらに、建築基準法に違反する施設部の除去を内容とする是正措置命令を受けたが、一切の命令を無視して操業を継続した。」とあります。これほど法令を無視した業者への起訴でしたが、一審は生花販売業者側が敗訴、二審の控訴では差し戻しで一審は破棄され、さらに工場操業差止・損害賠償いずれの請求も認められました。しかし、最高裁では、控訴審判決が破棄され、再度差し戻され、敗訴となりました。

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地元の反対運動のビラ(配布元不明です)

平成6年3月24日の最高裁による判決(判例時報 1501-96)によると、「工場等の操業に伴う騒音,粉じんによる被害が違法な権利・利益侵害になるかどうかは、被害が一般社会生活上受忍すべき程度を超えるものかどうかによって決すべきものであり(中略)、例えば,工場等の操業が法令等に違反するものであるかどうかは、右諸般の事情の一つとして考慮されるべきであり、それらに違反していることのみをもって、第三者の権利ないし利益を違法に侵害していると断定することはできない」となり、工場操業差止請求と損害賠償請求は認められませんでした。

しかし、注目すべきはこの結果より、この裁判に要した時間です。最高裁の判決がでるまで、優に10年以上(一審の判決から最高裁の判決までだけでも11年)もかかった点です。この間にかかった費用は裁判費用のみならず、社員の目に見えないコストがかかっており、企業側の収益は圧迫されたはずです。

町田市の準工業地帯(下記にその定義)は、法的には工場施設が許可されているとは言え、周りに住宅地が多く、しかも目の前に小学校となれば、最初は住民運動、その後市民運動団体から操業停止を求めて起訴が起こされる可能性は否定できません。

今後、建設予定業者がどのような対応されるかが注目されます。

追記:多摩境の生コン工場建設計画問題 の掲示板で議論されています。一部の意見を参考にさせていただきました。

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町田市の準工業地帯の定義

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